オーロラを見るために最も大切なのは、オーロラオーバルの直下に滞在することです。
本サイトで言及している街はそれぞれオーロラオーバルの直下にありますが、これらの中でもオーバル中心の直下に位置する街もあれば、中心より南寄りもしくは北寄りに存在する街もあります。
オーバル中心直下の街では天頂にまたがるオーロラに出会える機会が多くなるでしょう。南寄りの街では北の空にオーロラが出やすくなります。そして、中心から離れるに従ってオーロラ観測率は徐々に低下していきます。
例えば、フィンランドではサーリセルカ(北緯68度)での晴天時の観測率がおよそ70%であるのに対し、より南のロバニエミ(北緯66度)では40%程度になると言われています。
では、これらオーロラオーバル直下に位置する街からどこかを選ぶとしたとき、次に重要となるのが何かというと、それは晴天率です。
オーロラは雲よりはるかに上空で発生する現象です。天気が悪いとそもそも雲にさえぎられてオーロラは見えません。
雲が薄く、オーロラが強いときには雲を通してオーロラが見えることもあります
が、ベストの状態でオーロラを見るには晴天であることは必須条件ともいえます。
薄い雲だとオーロラはまだ見えますが、この先オーロラと雲のどちらが夜空を支配するのか、見ていてヒヤヒヤします。
厚い雲に覆われるとせっかくのオーロラも見えません。
そこで観測地ごとの晴天率はどうかという話になりますが、冬から春にかけては北欧よりもカナダ、アラスカに軍配が上がると思います。
北米の観測地は乾燥した内陸部に存在するのに対し、北欧の観測地はノルウェー海流(メキシコ湾暖流から分離北上したもの)の影響を受ける比較的海に近い地理条件にあるためです。
北欧のサーリセルカやトロムソなどは、北緯67~70度と北極圏にあるにも関わらず気温は比較的高めです。これは暖流が高緯度まで熱を運んでくれているからですが、この熱は(特に冬場は)水蒸気を介して雲や雨、雪の生成要因となるのです。
一方、北米フェアバンクスやイエローナイフは北緯62度程度ですが、冬の平均気温は-30度に迫ります。
気温がこれほど低くなるのは周囲に海などの比熱の大きい熱源がないうえ、放射冷却がしばしば起こるからです。
放射冷却が起こる条件は晴天でかつ風が弱いということですので、言い換えるとこの低い気温は晴天率の高さを示しているともいえます。
寒いのは辛いですが、キーンと冷え込むのはオーロラ鑑賞の観点からは望ましいことでもあるのです。
上記は理論上の話ですが、私の経験則からも間違いないと思っています。
では秋はどうかというと、少なくともイエローナイフは10月から11月にかけて雪がよく降り、天候が安定しないシーズンです。
逆に北欧は暖流の影響が卓越しないこともあって冬場より天候は良いくらいですので、秋ならば北欧も互角、十分選択肢に入ってくると思います。
結局、いつ、どこに行くのがよいのでしょうか。
人生一度限りのオーロラ旅行を成功させたい、旅に他のハイライトはいらないのでとにかくオーロラを見たい、長い旅行はできないので短期決戦で臨みたい、といった方には少しでも確率の高い冬から春先の北米をお勧めします。
詳細は観測率データのページをご覧いただければと思いますが、3日滞在でもかなりの確率でオーロラに遭遇できます。特に3月のイエローナイフは抜群といえます。
一方、ひとつの街にゆっくり滞在してじっくりオーロラ観測ができる場合、旅として色々見て色々楽しむ中に、ハイライトのひとつとしてオーロラチャンスがあれば、という場合などは、北欧に大きな魅力があります。
北米は気象条件、地磁気時間の条件などが厳しく、どうしてもオーロラオンリーとなりがちです。オーロラ観測と昼間の観光を両立し続けるのは相当の体力が必要かと思います。
地理条件的にも他を絡めた旅行プランをなかなか組みづらい側面もあります。
一方、北欧は旅行の中にオーロラチャンスを組み込む形を取りやすいですし、オーロラ観測のベースとなる街自体がゆったり楽しめる滞在型リゾートであることもあって、旅や滞在そのものを楽しむ環境が整っています。
地磁気条件的にもオーロラが比較的早い時間から発生しやすいので、朝方まで起きていないといけないようなことも少なく、翌日の活動を妨げません。
要は、気持ちとして旅のどれだけをオーロラが占めるのかによるかと思います。
これがとても高い方は北米を選ぶべきです。逆に、北欧を旅すること自体の魅力を実感できつつ、さらにオーロラも見られるかも!という考え方であれば、北欧はとてもお勧めできます。
私は何度かオーロラを見ていますが、前回オーロラ至上主義の旅(=昼は寝て夜はオーロラ、を1週間繰り返し)をしたため次回は旅を楽しみたいという思いもあります。なので、今度行くことがあれば北欧かな、と思っています。